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踊るブート法師(試運転中)
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KISS / THEY ONLY COME OUT AT NIGHT[2CD]
STONED RECORDS / SR006-2CD

Disc 1
01 Detroit Rock City
02 Cold Gin
03 Strutter
04 Fits Like A Glove
05 Heaven's On Fire
06 Guitar Solo
07 Under The Gun
08 War Machine
09 Drum Solo
10 Young And Wasted

Disc 2
01 I've Had Enough
02 Bass Solo
03 I Love It Loud
04 I Still Love You
05 Creatures Of The Night
06 Love Gun
07 Rock And Roll All Nite
08 Lick It Up
09 Country Man
10 Winchester Cathedral
11 Black Diamond

JOHANNESHOVES ISSTADION, Stockholm, SWEDEN / Oct. 26, 1984



アナログブートの名盤『THEY ONLY COME OUT AT NIGHT』(写真参照 : PONCIA RECORDS /198-41026)をディスクから起こした、同タイトルの2枚組CDブート。オリジナルが超美麗フルカラージャケットにして豪華ブックレット付きというゴージャスな、持っているだけでウキウキワクワクな逸品だっただけに、ブサイクなダブルケース入り、スウェーデン公演なのにドイツロゴがドーン、『ANIMALIZE』ツアー音源なのに『DYNASTY』ツアーの構図最悪な写真がバーン、裏は素っ気なく文字だけがデーン……と体裁に誉めたくなる要素がひとつもないあたりが悔し涙を誘います(おまけに“Under The Gun”を“Exciter”と誤表記までしてるし)。とは言うものの、肝心の音の方は元が元だけに安心して聴ける良品です。マスターテープからのデジタルリマスター音源……なんていうセールスポイントはありませんが、盤起こしでも気になるノイズはそれほどないし、アートワークに関していかに不平不満があろうとも手軽に聴くこと自体には何の支障もありませんからね。オーディエンス録音ならではの空間の広がりを感じさせながら、なによりクリアかつラウドなエリック・カーのドラミングが全編を支配するこのサウンドは、陳腐で平べったい下手なサウンドボード音源を足下にも寄せ付けない魅力に満ち満ちています。そう言えば千葉県茂原市の某大手レンタルCDチェーン店は、このブートに「輸入盤なので音は悪いです」とワケのわからない解説コメントを添えてふつうに棚に並べていましたが、いろんな意味で無知丸出し過ぎだと思います(笑)。ポールのマイクトラブルを救うためにジーンが即興作詞で歌う“Detroit Rock City”も聴きモノです。

【(オーディエンス音源としての)音質:★★★★】
【アートワーク:★】
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1977年、千葉から西新宿へ生まれて初めてブートを買いに出掛けた当時中学生の私の手には、『音楽専科 スーパー・アイドル特集号』が握りしめられていました。発行日は同年3月20日、発行所は株式会社音楽専科社、定価650円。KISS、QUEEN、AEROSMITH、BCR、ANGELの5バンドを“スーパー・アイドル・バンド”としてくくり、「ファッション大研究」やら「愛情星占い」やらを混ぜながら、あくまでもグラビア写真を中心に彼らをミーハー風味なノリでまとめたちょっとだけ恥ずかしい臨時増刊号。なにが恥ずかしいって、まぁくだらないお遊びコーナーは別にいいんです。でもねぇ、ウソはいけません。まず発行日を見てお判りのように、この特集号はKISS初来日の直前に出たワケですが、来日を盛り上げるためか「キッス驚愕の日本公演!! 架空コンサート・レビュー」なるものが本文巻頭で掲載されているのですよ。書き手は伊藤政則氏。これがもうホントに大ウソばっかりのシロモノなのです。情報の少なかった時代、なかなかプロの、それもハードロックに明るいはずの音楽評論家とてKISSライヴの詳細を知ることは難しかったのかもしれませんし、妄想レベルのレヴューなので何を書くのも自由だと言えばそれはそうなんですが、だからって“Black Diamond”が2曲目に登場し、“I Want You”でエースのギターから煙が出て、“Hard Luck Woman”をポールが歌い、“Firehouse”の導入部でジーンが血を吐き、代わりに火吹きは“Rock And Roll All Nite”で行なわれ、アンコール後のラストナンバーが“She”だった……なんて事実から何万kmも離れたレヴューを書いちゃあやっぱりいかんでしょう。あ、最後にジーンが「イッツ・フィニッシュ!」と叫んでライヴが終わるんだそうですよ(笑)。ま、ちょっと観てみたい気もしますけどね、ここまで珍しい構成だと。恥ずかしいのは架空レヴューだけじゃありません。「5大グループ・レコード大作戦! ロック初心者のためのレコード購入アドバイス」というコーナーがあって、“キッスこの3枚”と銘打ち入門篇として『DRESSED TO KILL』が、応用篇として『ALIVE!』が、上級篇として『ROCK AND ROLL OVER』がそれぞれ大伴良則氏によって選ばれているのですが、まぁ選出タイトルそのものは良しとしましょう。そういう薦め方もあるかもしれませんからね。でもね、選んだ理由が大笑い。入門篇の『DRESSED TO KILL』は「代表的ナンバーが多く含まれている」からなんだそうです(それなら『KISS』か『DESTROYER』でしょうに)。応用篇の理由なんてもっとスゴいですよ。大伴氏によれば、元々KISSの4人というのはスタジオ・ミュージシャンも勤められるほどに腕の良いプレイヤーだったらしく、それまでのハードロック・オンリーという作風を捨て「この新作(『ROCK AND ROLL OVER』)では、そうした“やろうと思えばなんでもやれるはず”のキッスのルーツが、実にバラエティに富んだ曲調としてあらわれている」から選ばれているらしいのです。でもそれって『DESTROYER』のことじゃないのかなぁ。なんともまぁ視点のズレた選び方で、きっとテキトーに片づけたやっつけ仕事だったんでしょうな。今となれば逆にこうして笑いながら読めますが、当時コレを信じて会場に行ったり、アルバムを買ってしまった人がいたらちょっと可哀想ですね。ちなみに拡大した広告には『DESTROYS ANAHEIM』が1,880円とありますが(読みにくいでしょうが、そう書かれています)、セール終了後の夏休みに出掛けたのでもうちょっと高騰しており、購入金額は2,500円前後だったと思います。拡大右端の「近日入荷:キッス&スターズ/ライブ・イン・カリフォルニア '76」は『UNNECESSARY EVIL』(もちろんアナログ盤の方)のことだったようですが、製造枚数が少なかったために、店頭で現物を見ることはできませんでした。実際には単なる『DESTROYS ANAHEIM PART 2』のコピー盤であり、もちろんスターズ云々はウソ情報だったのですが、別の広告に謳われていた記述を引用して、アナログの『UNNECESSARY EVIL』を「スターズによるスペシャル・アンコールを含む」と紹介している海外サイトもあるので注意が必要ですね。そういえば音楽専科社って今は「仮面ライダー」の本やグラビアアイドルの写真集なんかをバンバン出してるみたいで、いったいどこが音楽専科なんだか……。まったくもうウソばっかりです(笑)。
 

KISS / UNNECESSARY EVIL[1CD]
DEEP RECORDS / MIK-018

01 Detroit Rock City
02 King Of The Night Time World
03 Let Me Go, Rock And Roll
04 Strutter
05 Hotter Than Hell
06 Nothin' To Lose
07 Cold Gin
08 Guitar Solo
09 Shout It Out Loud
10 Do You Love Me
11 Bass Solo
12 God Of Thunder 1
13 Drums Solo
14 God Of Thunder 2
15 Rock And Roll All Nite
16 Deuce
17 Firehouse
18 Black Diamond

Anaheim Stadium, California, USA / Aug. 20, 1976

  

記念すべきマイ・ファースト・ブートレッグは何かと言えば、アナログ時代の名ブート、KISSの『DESTROYS ANAHEIM』でした(写真↑左、IDLE MIND PRODUCTIONS / IMP-1120)。ビクター時代のファンクラブ会報「C'MON」誌上で青柳つとむ氏が熱い現地レポートを綴っていた“アナハイム・スタジアム公演”の音が聴けると知り、初来日の熱気も冷めやらぬ1977年の夏休みに、広告が載っている『音楽専科 スーパー・アイドル特集号』を握りしめて千葉からKinnieへ買い出しに出掛けたんですね。30年も昔のことですが、あの日の西新宿の情景は今でもはっきりと覚えています。店内に並んだ見知らぬアルバムの数々に圧倒され、「ああ、こんな世界もあったのか……」と溜息をつくばかり。広告を見ると、当時販売されていたKISSブートはたったの4タイトルだったようですが、中学坊主に複数枚を買う余裕などなく、浮気心を押さえて目的の『DESTROYS ANAHEIM』のみを購入。「隠し録りだから音は悪いらしいぞ」というウワサを耳にしていたので、「電車賃とレコード代ですっかり今月の小遣いを使ってしまったわ。もし聴くに耐えなかったらどうしましょう……」と小さな胸をドキドキさせながらおウチに帰り、恐る恐るターンテーブルに針を下ろしたのですが、これがまぁカッコいいったらなかったワケですよ。『ALIVE!』とはまるで感触の異なる、リアルなKISSライヴにすっかりノックアウトされ、そこからはズブズブとブートの沼にハマってしまったんですね。さて、そんな思い出の逸品『DESTROYS ANAHEIM』をCD化したものが、この『UNNECESSARY EVIL』です。セットリストから収録曲をセレクトしコンパクトにまとめられていた『DESTROYS ANAHEIM』と、選に漏れた残りの曲で追加リリースされた『DESTROYS ANAHEIM PART 2』(写真↑中、IDLE MIND PRODUCTIONS / IMP-1122)を当日のセットリスト通りに再構築。盤起こしなのでトレースノイズが気になったりもしますが、伝説の“アナハイム・スタジアム公演”を手軽に楽しめる1枚としての価値は十分にあるでしょう。“アナハイム・スタジアム公演”にはサウンドボード音源のプロショット・ビデオも存在しますが、当日の熱気やKISSのパワーは、オーディエンス録音のこのブートの方が何倍も生々しく伝えてくれます。 でも、どうせならジャケットもオリジナルのスリックを再現してほしかったですねぇ。裏はともかく、『KISS COMICS』を基にしたらしき表ジャケには、センスの欠片も感じられません。ただ、当時『DESTROYS ANAHEIM PART 2』のコピーブートとして極少数が出回った『UNNECESSARY EVIL』 (写真↑右、WIZARDO RECORDS /WRMB-508)をタイトルに持ってきたあたりは、なかなかの洒落っ気と言えるかもしれません。この日がKISS史上初のスタジアム公演であり、のちに“全米を代表するライヴバンド”と呼ばれるひとつの節目になったことを考えれば、この音源の持つ一種異様な緊迫感にも納得がいきます。5万人規模という経験したことのない大観衆を前に、KISS自身もかなりテンパっていたようで、歌詞を間違えることには定評のある(笑)ジーンはもちろんのこと、ポールまでもが“Do You Love Me”で歌ミスを披露。そんなスリリングな一面の他にも、観客に注意を促す開演前アナウンスや、妙にテンポアップした“Deuce”、ポールのMCとエースのギターが掛け合いで場を盛り上げる“Firehouse”など、“アナハイム・スタジアム公演”音源ならではの聴きどころが満載です。

【AUD音質:★★★】
【アートワーク:★】
【音源の歴史的価値:★★★★★】
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